Station TripleS 徹底レビュー

Station TripleS 徹底レビュー|1年乗り込んだ正直な感想とYOWとの違い

こんにちは。石川県でスケートショップ「LINKUP」をやっている代表のイッタです。スケート歴15年以上。サーフィンのオフトレでサーフスケートにのめり込み、今はほぼ毎日乗っています。

この記事は、スペインのサーフスケートトラック「Station TripleS」を、仕入れを決める前のテストから1年近く乗り込んできた正直なレビューです。

先に立場を明かしておくと、LINKUPはこのトラックの取扱いショップです。惚れ込んで仕入れた側なので当然おすすめ寄りにはなりますが、気になる点も隠さず書きます。YOWやスイング式からの乗り換えを迷っている方が一番知りたいところだと思うので、そこも自分の乗り比べで正直に。

⏱ 先に結論

YOWぐらい曲がるのに、深く踏んでも破綻しない。「動くのに安定する」の両立が最大の特徴

・サーフィンのツイン・トライフィンのドライブ感=後ろ足荷重のターンを陸で練習できる、今のところ唯一級のトラック

・逆に、シングルフィン的なフロー感が好きな人はYOWの方が幸せかもしれません

波がない日の、あの落ち着かなさへ

スペックの前に、少しだけ本音の話をさせてください。

波がない平日。仕事は忙しいし、海は遠いし、今週も乗れないまま終わりそう。SNSを開けば、誰かが良い波に乗っている。「自分だけ置いていかれてる気がする」——サーファーなら、あの落ち着かなさに覚えがあると思います。スノーボーダーの夏も、同じですよね。

サーフスケートの本当の価値は、あの時間を「上達を仕込む時間」に変えられることだと思っています。海に行けない罪悪感が、「陸で仕込んでるから大丈夫」に変わる。そして次に海で会った仲間に「あれ、なんか上手くなってない?」と言わせる。この密かな楽しみのために、道具は「サーフィンの動きを正しく再現できるもの」を選ぶ必要があります。

その1台として、自分が最終的にたどり着いたのがこのトラックです。Instagramのサーフスケート専用アカウント(@itta_linkup_surf)で毎週アップしている動画で、いつも自分が乗っているのがこのStation TripleS。動きの雰囲気は、まずあそこで見てもらうのが一番早いと思います。

Station TripleSとは(基本スペック)

Station TripleS サーフスケートトラックのセット内容(前後トラック・ライザー・ビス) Station TripleS トラック本体
項目 内容
ブランド Station(スペイン)
方式 フロント=リバースキングピン(RKP)/リア=トラディショナルキングピン(TKP)のラバーブッシュ式
サイズ・カラー 160mm(ブラック/シルバー)・146mm(シルバー)・120mm(シルバー)
付属品 前後トラック+前後ゴムライザー+ビス8本(※120mmはリアライザーのみ)
価格 ¥18,480(税込・LINKUP販売価格)

日本ではまだYOWやCarverほどの知名度はありません。ただ、それは「劣っているから」ではなく「入ってきたばかりだから」。本国スペインやヨーロッパのサーフスケートシーンで評価されているトラックで、正直、周りとかぶらない今が一番おいしい時期だと思っています。

なお、スイング式とラバーブッシュ式の構造の違いはサーフスケートの選び方の記事で図解しています。初めての方はそちらから読むと、この先が2倍わかりやすいです。

1年乗って感じた、良いところ3つ

1. YOWぐらい曲がるのに、ノーズが抜けない

今までラバーブッシュ式(RKP)は「スイング式ほど深く曲がらない」と思われてきました。思われてきました、と過去形で書いたのは、TripleSがそこを変えてきたからです。体重をかけるとスイング式に負けないくらいグーッと深く曲がる。それでいて、ノーズ側に乗り込んで深く踏んでも、スコンと抜ける感覚がない。

スイング式で深く倒した時の「急にノーズが消える」感覚に怖い思いをしたことがある方——実は結構多いはずです——ほど、この安心感には驚くと思います。怖くないから、深く踏める。深く踏めるから、上達が速い。この循環がこのトラックの一番の価値です。

2. 「後ろ足荷重のターン」を陸で身につけられる

サーフスケートは前のトラックばかり注目されがちですが、TripleSの本当の個性はリアにあります。強くリーンしてもリアが地面にしっかり追従して、後輪が浮かずグリップが失われない。さらに付属のライザーパッドが高圧縮ゴムのような素材で、ターンの時にしなって踏ん張ってくれる。

この2つが揃うと何ができるかというと、テールをぐっと押し込んで加速する「ドライブ感」の練習です。サーフィンで例えるならツイン・トライフィンで波の反発にテールを押し込んで走らせる、あの感覚。上手い人のターンでスプレーが立つのは、まさにこの後ろ足荷重ができているからで、それを陸で反復できるトラックは、自分の知る限りこれだけです。

3. ポンピングが軽い・急な斜面に強い

ほとんど蹴り出さずに進めるポンピング性能があるので、平地でもスピードを作る練習になります。そしてスケートパークや道端のバンクなど、入口がカクッとなった斜面はスイング式の苦手分野ですが、TripleSはスムーズにエントリーできて、本物の波でアップスしているような切り返しの速さがあります。スイング機構がないぶん単純に軽いのも、毎日乗る身としてはありがたい。街中を波に見立てて遊べるトラックです。

正直に書く、気になるところ

1. スイング式のフロー感はない。YOWの、体重をかけるとスッと傾いて波に合わせて流すシングルフィン的な気持ちよさは、方式が違うので出せません。ミッドレングスのフロー感を練習したい時は、自分も今でもYOWに乗ります。ここは優劣ではなく、好みと目的の問題です。

2. 最初は「素直すぎる」と感じるかも。スイング式から乗り換えると、クセがなさすぎて最初は物足りなく感じる人がいます。ただ数セッションでスイングの反発に頼る癖が抜けると、テールを踏んで加速する感覚が掴めてきて、そこからが本領です。

3. 入荷が安定しない。スペインからの輸入で、入荷のたびに完売が続いています。サイズやカラー(特にブラック)が欠品しがちなのは取扱い側の課題で、発注を重ねて改善中です。在庫があるタイミングは、正直逃さない方がいいです。

YOWとの違いは、動画で見るのが早いです

手でトラックを曲げ比べる映像も、実際のライディング映像3分も入れてあります。

ざっくりまとめると: ターンの軽さとフロー感はYOW、ドライブ感と安定はTripleS。緩いダウンヒルで気持ちよく流したい日はYOW、サーフィンの練習と考える日はTripleS、というのが自分の使い分けです(最近はほぼ100%TripleSですが笑)。

「乗り換えて失敗しない?」への答え

一番多い質問がこれです。自分もずっとスイング式しか乗っていなかった人間なので、その不安はよく分かります。

結論、心配いりません。硬い・柔らかいはグリスとブッシュで後からいくらでも調整できます。まずは付属ブッシュのまま、キングピンナットを1/4回転ずつ締めたり緩めたりして「プッシュで不安がない範囲で一番緩いところ」を探す。物足りなくなったらRipTide APSブッシュへの交換で別物のように性格を変えられます(コーン3個+バレル1個の構成・体重78kg前後なら85Aが目安)。

そして、LINKUPで買って頂く場合は、注文時に体重と滑り方をDMで送ってもらえれば、あなたに合わせたセッティングで組んでお届けします。届いた日から気持ちよく乗れる=失敗のしようがない状態にして送り出すのが、この店の仕事だと思っています。

デッキとの相性(LINKUPの板はこのトラックから逆算しています)

LINKUPのオリジナルデッキは、このTripleSに載せて一番調子がいい形状を探して作った板です。幅・ウィールベース・テールの長さを、全部TripleSでの実走テストで決めました。この設計が本国スペインのStation本社にも採用されて、逆輸入されるかたちで向こうのライダーが乗っています。

キレ重視第1弾 8th Anniversary(WB17.0"): ショートボードのようなキレるターン。リッピングの練習に。身長170cm以下の方・ショートボーダーの陸トレに
安定・ディープターン重視第2弾 YATAGARASU(WB18.6"): 深く倒し込むカービングをじっくり

まるごと1台なら: TripleS搭載コンプリート

「トラック単品を手持ちのデッキに付ける」のもいいですが、これから始める方・板ごと新調したい方にはコンプリート(完成車)をおすすめしています。理由はシンプルで、トラック・デッキ・ウィール・ベアリングの全部を、この組み合わせで実走テストして決めた「完成形」だからです。

デッキは上で書いた通りTripleSから逆算した専用設計。ウィールは65mmソフト、そしてベアリングはLINKUPセラミックベアリングを標準搭載しています。パンピングで作ったスピードが死なずに次のターンまで持ち越せるのは、正直このベアリングの貢献がかなり大きいです。

価格は¥47,500〜¥52,500(通常メープル7層 or カーボン=約20%軽量・実測)。本国スペイン採用のトラックにカーボンデッキを積んでも、CarverやYOWの上位コンプより安い価格に収まっています。もちろんコンプリートも、注文時に体重と滑り方をDMで頂ければ、あなたに合わせたセッティングで組んでお届けします。開封して、その日から練習を始められる状態で届きます。

ここからは、その4台を1台ずつ紹介します。全部TripleS 160mm+セラミックベアリング搭載で、違いは「デッキの人格」です。

LINKUP サーフスケートコンプリート第1弾 8th Anniversary

🟢 ショートボードのターンを陸で

第1弾「8th Anniversary」— キレで選ぶ1台

31インチのコンパクト設計にWB17インチ。狭いセクションや急なカーブでもクイックに反応して、テール7インチのテコでノーズもスッと上がります。ショートボーダーの陸トレ、キレ重視の滑り、身長170cm以下の方に。デッキは通常メープル(1,630g実測)とカーボン(1,300g実測・約20%軽い)から選べます。

¥47,500〜¥51,500 第1弾を見る →

LINKUP サーフスケートコンプリート第2弾 YATAGARASU

🔵 ミッドレングスのレールワークを陸で

第2弾「YATAGARASU」— 深さと安定で選ぶ1台

33.75インチ×WB18.6インチのロング設計。ハイスピードでも板が暴れず、大きなラインで深く倒し込むカービングが気持ちいい1台です。ミッドレングス〜ロングボーダーの陸トレに。八咫烏の和デザインは、本国スペインのStation本社にも採用された、LINKUPの看板グラフィックです。※現在は通常モデル完売のため、カーボンモデル(1,430g実測)のみ在庫があります。

¥52,500(カーボン) 第2弾を見る →

LINKUP カーボンサーフスケートコンプリート第3弾 DOPAMINE JUNKY

🔴 テーマは「空中戦」

第3弾「DOPAMINE JUNKY」— 飛ぶための1台

LINKUP初のカーボン構造&ダブルキック。エアリバースをやりたい方には迷わずこのセットです。しなりゼロのカチッとした反発と強コンケーブで、踏み込みから加速してセクションを飛び出せます。全長33インチは第2弾寄りなのにWBは第1弾と同じ17インチ=踏めるのにクイック、という欲張り設計。エアーのために作った板ですが、初心者の方でも全然乗れます。

¥52,500 第3弾を見る →

LINKUP カーボンサーフスケートコンプリート第4弾 賽の河原

⚫ 水墨画×KEEP BUILDING

第4弾「賽の河原」— 同じ空中戦の、裏側の1枚

形状・構造は第3弾と完全に同じ「空中戦」仕様。違いは世界観です。積んでは崩れ、また積む——うまくいかない日の方が多いのに、それでもパークに戻ってしまう感覚を水墨画で1枚に込めました。性能で選ぶなら第3弾とどちらでもOKなので、デザインで決めちゃうのも大アリです(約1.3kg実測)。

¥52,500 第4弾を見る →

よくある質問

Q. サイズはどれを選べばいいですか?

まず160mmが1本あればかなり遊べます。デッキ幅9.5〜11インチに対応するので、手持ちのサーフスケートデッキへの付け替えもできます。迷ったらデッキ幅と体重をDMで送ってください。

Q. 初心者でも乗れますか?

乗れます。動きが素直で挙動が予測しやすいので、むしろ初めての一台に向いている方式です。体を動かした時に板がすぐついてくるので、動きと板のタイミングのズレが出にくく、サーフスケート特有の体の使い方を覚えやすいです。

Q. スノーボードのオフトレにも使えますか?

使えます。安定感があるのでカービングターンの練習に向いていて、斜面のパウダーを巻きながら加速していくようなテール荷重の感覚を、陸で再現できます。

Q. YOWからの乗り換えで違和感はありますか?

最初の数セッションは「素直すぎる」と感じるかもしれません。スイングの反発を使う癖が抜けると、テールを踏んで加速する感覚が掴めてきて、そこからが本領です。

最後に

「動くのに安定する」という、両立しなさそうな部分を両立させてきたトラックです。派手な広告も、日本での知名度もまだない。でも、乗れば分かります。

次に海で波に乗る自分のために、波のない日を練習日に変えたい方は、ぜひ検討してみてください。質問があれば、InstagramのDM(@itta_linkup)でいつでもどうぞ。

Station TripleSトラックを見てみる →

体重と滑り方をDMで頂ければ、あなたに合わせたセッティングで組んでお届けします。

関連: サーフスケートおすすめ5選と選び方 / ベアリングのおすすめと選び方 / デッキの選び方ガイド

この記事を書いた人

イッタ(中出 逸太)|LINKUP SKATEBOARD SHOP 代表

石川県能美市でスケートショップとスケートパークを運営。能美市スケートボード協会 会長。サーフィンのオフトレからサーフスケートにのめり込み、デッキとベアリングを自社ブランドで開発。Instagram / YouTube

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